北海道の生活tips

知識0の人でも理解できる「アイヌ民族」について

北海道について話題になった際に耳のするアイヌ民族ですが、意外と良く知らない事がたくさんありますよね?説明しろと言われても歴史の教科書で習った程度だったりしませんか?そこで全く知識がなくても理解できるようにアイヌについてご紹介します。

そもそも日本人とは違うの?

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起源については諸説ありますがDNA的に言えば沖縄の琉球人に近く、和人と呼ばれる本州や四国・九州に在住している日本人は起源は同じ縄文人になりますが、和人は渡来人と縄文人の混血に対してアイヌは古くから北海道に住んでいる縄文人がルーツになり純血に近い形になります。古くから蝦夷(えぞ)とも呼ばれていますが、蝦夷と呼ばれる事を嫌い本州と交易にあった時代(17~18世紀頃)に良い人間を指すアイヌと呼んで欲しいと望んでいます。ちなみに悪い人間はウェンベと言って生活もろくに出来ない困った人を指します。中世に北海道を蝦夷地と呼んでいましたが蝦夷討伐と言われている蝦夷民族は文化的には和人に位置しており基本的に和人と対立関係になく交易相手でありました。1669年の戦い以降江戸幕府が蝦夷地を直轄地にしていたので明治になると北海道と改称され屯田兵など和人が入植して来る一方で先住民族に対しての差別があり、言語教育も日本語で行われ和人の侵略のような形でアイヌ民族が文化や土地などを失っていき伝統的な風習や生業が制限され、政府が保護する政策を実施しましたが上手く行かず生活が困窮しました。

コロボックルって妖精?

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宗教ではカムイと呼ばれる神霊があらゆる物や現象(動植物・自然現象・道具など)に宿っているとされており、考えとしては九十九神に近く日本の神道と良く似ています。彼らには文字文化がなくユーカラと呼ばれる言語が存在していますが口伝承になり詳しい歴史や文化を知る事が非常に難しいのが現状です。北海道旅行の土産などで目にするコロボックルとはユーカラ語で「蕗の葉の下の人」と言う意味で小人に表現されますが伝承では彼らアイヌ民族よりも少し小柄な程度と言われています。歴史的にみるとアイヌ民族よりも北海道に先住していた伝説の民族ではないかと言われていますが諸説あります。コロボックルをテーマにした作品が様々あり、小説や漫画・アニメにも登場しますが古事記に登場する少名彦命(すくなひこのみこと)はコロボックルの種族ではないかと言う学説もあります。北海道土産で見られる木彫りなどもアイヌの文化である文様が刻まれており、刺繍などは母から娘に伝えられ家によって独自の文様が存在していました。現在では文化も理解されており土産や地域振興に役立てられて経済効果の高い産業に成長しています。

苦難の道を辿りました

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明治以降の文化や生業の言われなき否定と差別について現在でも戦っており2015年現在で約2万3千人前後登録されていますが、既に全国に拡大している為に実数が確認されていません。また差別等の問題があり潜在的にはもっと多いと推測されています。但し純血は数人だけになり殆どが和人との混血になる為に、既に民族として成立しない・ユーカラ語も話していないなど論争の種になって保護するかどうか優遇措置などについて問題視されています。
ただ北海道にアイヌ民族が存在した事は事実として文化を継承して保護するべき問題が山積しており、血の濃さ薄さは関係ないと思われます。減少傾向にあるアイヌの人達から色々な文化や歴史を学び多面的なフォロー活動が必要ではないでしょうか?アイヌである事を誇りに活動する若者も増えており肯定的に捉える傾向が強まっていますが、以前は差別を恐れ出来得る限り和人に同化しようした歴史があります。
確かに登録制度に優遇措置や利権が絡み、不公平感が高まっている事も事実で批判されている問題がありますが守るべきは何かを見直すキッカケになるのではないでしょうか。

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